2012年9月16日日曜日

秋本番を前に…ゴールデンライラック引退

 秋競馬もこれから本番というところ、ひとつ寂しいニュースが飛び込んできた。
A・ファーブル調教師によると、ゴールデンライラックが故障のため、ジャック・ル・マロワ賞を最後に引退するとのこと。故障の詳細については明らかになっていない。
 生涯成績は10戦6勝。3歳時にプール・デッセ・デ・プーリッシュ、ディアヌ賞の2冠を制し、古馬になってもイスパーン賞でシリュスデゼーグルを破るなどGI3勝、牡馬相手にも引けを取らなかった。今夏はロートシルト賞がイリューシヴケイトの2着、ジャック・ル・マロワ賞は7着と本調子ではなかった。
 無事であれば、本日9月16日のムーラン・ド・ロンシャン賞で母娘制覇の期待もかかったが、叶わなかった。今後は馬体の回復を待って繁殖生活に入るとのこと。彼女の子供が再びターフに戻ってくるのを期待しよう。



ゴールデンライラックGolden Lilac
GALILEO (IRE)
b. 1998
SADLERS WELLS (USA)
b. 1981 [CS]
NORTHERN DANCER (CAN)
b. 1961 [BC]
NEARCTIC (CAN)
br. 1954
NEARCO (ITY)br. 1935 [BC]
LADY ANGELA (GB)ch. 1944
NATALMA (USA)*
b. 1957
NATIVE DANCER (USA)gr. 1950 [IC]
ALMAHMOUD (USA)ch. 1947 *
FAIRY BRIDGE (USA)*
b. 1975
BOLD REASON (USA)
b. 1968
HAIL TO REASON (USA)br. 1958 [C]
LALUN (USA)b. 1952 *
SPECIAL (USA)*
b. 1969
FORLI (ARG)ch. 1963 [C]
THONG (USA)b. 1964 *
URBAN SEA (USA)*
ch. 1989
MISWAKI (USA)
ch. 1978
MR. PROSPECTOR (USA)
b. 1970 [BC]
RAISE A NATIVE (USA)ch. 1961 [B]
GOLD DIGGER (USA)b. 1962 *
HOPESPRINGSETERNAL (USA)
ch. 1971
BUCKPASSER (USA)b. 1963 [C]
ROSE BOWER (USA)ch. 1958
ALLEGRETTA (GB)*
ch. 1978
LOMBARD (GER)
ch. 1967
AGIO (GER)b. 1955
PROMISED LADY (GB)ch. 1961
ANATEVKA (GER)
ch. 1969
ESPRESSO (GB)ch. 1958
ALMYRA (GER)ch. 1962
GREY LILAS (IRE)
gr. 2001
DANEHILL (USA)
b. 1986
DANZIG (USA)
dkb/br. 1977 [IC]
NORTHERN DANCER (CAN)
b. 1961 [BC]
NEARCTIC (CAN)br. 1954
NATALMA (USA)b. 1957 *
PAS DE NOM (USA)
dkb/br. 1968
ADMIRALS VOYAGE (USA)dkb/br. 1959
PETITIONER (GB)b. 1952 *
RAZYANA (USA)
b. 1981
HIS MAJESTY (USA)
b. 1968 [C]
RIBOT (ITY)b. 1952 [CP]
FLOWER BOWL (USA)b. 1952 *
SPRING ADIEU (CAN)
b. 1974
BUCKPASSER (USA)b. 1963 [C]
NATALMA (USA)b. 1957 *
KENMIST (GB)*
gr. 1994
KENMARE (FR)
gr. 1975
KALAMOUN (GB)
gr. 1970
ZEDDAAN (GB)gr. 1965
KHAIRUNISSA (GB)gr. 1960
BELLE OF IRELAND (GB)
ch. 1964
MILESIAN (GB)b. 1953
BELLE OF THE BALL (GB)br. 1958
MISTRAL'S COLLETTE (IRE)
b. 1987
SIMPLY GREAT (FR)
b. 1979
MILL REEF (USA)b. 1968 [CS]
SENECA (FR)b. 1973
KITTYS SISTER (IRE)
ch. 1980
BUSTINO (GB)b. 1971
SKY FEVER (GB)b. 1969 *

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凱旋門賞に近づくのはどの馬か? GIIニエル賞

GIIニエル賞(3歳牡牝芝2400m)
 フォワ賞と並んで、凱旋門賞のステップレースとして注目の一戦。3歳馬限定だが、ここ10年凱旋門賞を見ると2002年のマリエンバード(当時5歳)、2007年のディラントーマス(当時4歳)を除いて3歳馬が8勝しており、このなかから今年の凱旋門賞を制する馬が出てもおかしくない。ちなみにダラカニ(2003年)、ハリケーンラン(2005年)、レイルリンク(2006年)の3頭がニエル賞と凱旋門賞を連勝、バゴ(2004年)はニエル賞は3着に敗れたものの、凱旋門賞を制している。

 おそらく人気になるのは今年の仏ダービー馬サオノワSaonois。ダービー以来の出走で、目標は当然の凱旋門賞。気になるのは仕上がり具合だが、ダービー馬として出走する以上は恥ずかしいレースはできない。ダービーではインペリアルモナークの出遅れなど運も味方した感もあるが、真の実力を見せつけて欲しい。

 サオノワを追う馬たちはなかなかの粒揃い。キャリアも浅く、まだ底を見せていない馬がおおい。ラストトレインLast Trainはまだキャリア4戦ながら、前走初挑戦のGIパリ大賞でインペリアルモナークの2着。仏ダービー2着馬サンボドリーノには半馬身先着している。
 こちらもキャリア4戦ベリールBayrirも侮りがたい。条件戦でラストトレインを破ったスモーキングサンSmoking Sunを下した前々走、重賞初出走で圧勝した前走ウジェーヌ・アダン賞を見るといまだ成長途上にあり、逆転もありうる。
 スモーキングサンは前走ギョーム・ドルナーノ賞でサンボドリーノの5着と案外。一線級相手では苦しかったか。
 穴馬として注目はルミュドゥラトゥールRemus de la Tourドーヴィル大賞を制して今秋注目の良血馬マスターストロークをGIIIリス賞で下しており、実力は十分互角に戦える。

    馬名               騎手
1 ラストトレインLast Train                  M・ギュイヨン   
2 ベリールBayrir               C・ルメール
3 ケザンプールKesampour              M・デルザングル
4 スモーキングサンSmoking Sun       P・バリー
5 サオノワSaônois             J.-P.・ゴーヴァン
6 ルミュドゥラトゥールRemus de la Tour    K・ボルゲル


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2012年9月15日土曜日

マイル王&最強牝馬決定戦 GIムーラン・ド・ロンシャン賞とGIヴェルメイユ賞

GIムーラン・ド・ロンシャン賞(3歳以上牡牝芝1600m)

 マイル・チャンピオン決定戦と言うにはあまりにも寂しいメンバー構成。ここはGIで善戦が続くもいまだ勝ち星がないファーFarhhが初GIのタイトルを獲得する可能性が高い。
 これまでGIでは4戦して2着3回3着1回。負けた相手はフランケル、ナサニエル、ソーユースィンクと強敵ばかり。彼らがいないレースでは負けられない。相手は今年のモーリス・ド・ゲスト賞馬ムーンライトクラウドMoonlight Cloud。モーリス・ド・ゲスト賞から連闘で挑んだジャック・ル・マロワ賞は4着。実力は十分だが、夏の過酷なローテーションの疲れが取れているのか、1600mの距離がどうかという点がマイナス材料。ドーヴィル競馬場での平坦直線の1600mならば何とか対応できても、よりスタミナとパワーが求められるロンシャン競馬場では、2000mまでこなすファーの方に分がありそう。
 3歳牝馬のサルキラSarkiylaも不気味な存在。アガ・カーン殿下所有、ロワイエ・デュプレ調教師の管理馬でこれまで5戦4勝。前走リウレー賞で初重賞勝ちを果たした。上位2頭にどこまで食い込めるか。


       馬名           斤量    騎手     
1 ファーFarhh                                                  58         F・デットーリ
2 ムーンライトクラウドMoonlight Cloud     56.5   T・ジャルネ
3 キャスパーネッチャーCasper Netscher      56  S・ケリー
4 サルキラSarkiyla                                           54.5   C・ルメール


GIヴェルメイユ賞(3歳以上牝馬芝2400m)

こちらは秋の最強牝馬決定戦として面白いメンバーが揃った。粒揃いでなかなか予想が難しいが、勝負の分かれ目は馬の状態だろう。このレースを目標に仕上げてきたのか、次のレースのステップとして八分程度の状態なのか。陣営の本気度が窺える馬で勝負したい。

 人気になるのはシャレータSharetaだろう。昨年凱旋門賞2着馬で、前々走さん=クルー大賞ではメアンドルの2着、前走ヨークシャー・オークスで初GIのタイトルを手にした。目標は当然次の凱旋門賞であるだけに、ここではまだ仕上がり途上か。

 今年に入ってGIを3着、3着と勝ちきれないレースが続いているガリコヴァGalikovaだが、昨年このレースの覇者であり、相性のいいコースで巻き返しを図る。GIIコリーダ賞でシャレータを下したソレミアSolemiaも十分勝ち切る力はある。
 夏に力を付けてきた組ではラポムダムールLa Pomme d'Amourが一番手。前走GIIポモム賞で2馬身差の快勝。好調を維持しており、目標のこのレースでは結果を残しておきたい。

吉田照哉氏所有のピリカPirika、吉田勝己氏所有のサロミナSalominaにも注目しておきたい。ピリカは前々走でラポムダムールを破っており、力的には遜色ない。

            馬名                斤量    騎手
1 シャレータShareta                                              58    C・ルメール
2 サラリンクスSarah Lynx                                    58    L・デットーリ
3 ラポムダムールLa Pomme d'Amour                  58    M・バルザローナ
4 ガリコヴァGalikova                                            58    O・ペリエ
5 ソレミアSolemia                                                  58    C・スミヨン
6 ピリカPirika                                                         58    P・ブド
7 ロマンティカRomantica                                     54.5    M・ギュイヨン
8 サガワラSagawara                                              54.5    T・ジャルネ
9 イエローアンドグリーンYellow and Green     54.5        T・チュリエズ 
10 セディシオーザSediciosa                                 54.5     G・ブノワ
11 プリンセスハイウェイPrincess Highway       54.5              P.-J.・スムレン
12 シダーラSydarra                                               54.5     F・プラ
13 サロミナSalomina                                             54.5     A・スターク








 


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オルフェーヴル、凱旋門賞に向けて最初の壁を乗り越えられるか? GIIフォワ賞

凱旋門賞まであと3週間となる9月16日(日)、ロンシャン競馬場では9レース中7レースが重賞(うちGI2つ)と重要なレースが目白押し。

 まずは日本で最も注目されるGIIフォワ賞(4歳以上芝2400m)から。出走は5頭だが、注目は何と言ってもオルフェーヴル。凱旋門賞に向けた仕上がり具合、フランス競馬への順応度が問われる本レース。とはいえ池江調教師は帯同馬アヴェンティーノAventinoとの2頭出しという用意周到ぶり。スミヨン騎手に乗り替わり、果たして前哨戦で幸先よく勝利を収めることができるか?

 オルフェーヴルの前に立ちはだかるのはGI連勝中のメアンドルMeandre。3歳時にGI パリ大賞を制し、挑んだ凱旋門賞では6着に破れるものの、今年に入ってGIサン=クルー大賞で後にキングジョージを制するデインドリームDanedreamを下し、前走GIベルリン大賞では圧勝。大舞台で勝ちきるまでのイメージは浮かびにくいが、凱旋門賞でもある程度人気になりそうな馬だけに、ここではきっちり力関係を示しておきたい。

 それ以外に相手になりそうな馬は見あたらないが、念のため目を通しておくと、ジョシュアツリーJoshua Treeは前走ドーヴィル競馬場でのGIIケルゴレ賞を逃げ切り勝ち。約1年半ぶりの勝利を挙げた。そのジョシュアツリーを前走プリンスオブウェールズSで破り、重賞初勝利を挙げたフィオレンテFiorente

 さてもう一頭アヴェンティーノにも注目しておこう。日本での成績を見る限りでは確かに分が悪いが、フランスで通用するかどうかは走ってみなければ分からない。戦績を見る限り力のある馬場は得意なようなので、ロンシャンが合っていないとも限らない。おそらくスローになりすぎないようにある程度前で引っ張る展開になるだろう。直線でオルフェーヴル、メアンドルが交わしに来るのをこらえて、3着を死守できるか。日本の条件馬とフランスの重賞馬の力関係を探る意味でも楽しみだ。

  馬名       斤量    騎手      調教師
1 フィオレンテ    58  K・ファーロン   Mr. スタウト
2 メアンドル     58  M・ギュイヨン   A・ファーブル
3 ジョシュアツリー  58  L・デットーリ    M・ボッティ
4 オルフェーヴル   58  C・スミヨン    池江泰寿
5 アヴェンティーノ  58  A・クラトゥス   池江泰寿



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2012年9月11日火曜日

9月9日 ロンシャン3重賞

凱旋門賞まであと1ヶ月を切ったロンシャン競馬場で、9月9日(日)、3つの重賞が行われた。凱旋門賞ウィークに行われるGI、GIIのステップレースと位置づけられるだけに、注目しておきたい。

GIIIラ・ロシェット賞(2歳芝1400m)

出走6頭のうち唯一の牝ワットアネイムWhat a nameが一番人気に応えて快勝。調教師はM・デルザンジ、馬主はH. H. シェイク・モハメド。これで3戦2勝。次走はジャン=リュック・ラガルディエール賞(2歳牡牝芝1400m)が有力視されているが、マルセル・ブサック賞(2歳牝芝1600m)にも登録されているとのこと。

GIIIリュテス賞(3歳芝3000m)
長丁場の本レース。前走ドーヴィルでのリステッド・レース、ミシェル・ウイヴェ賞の上位5頭の再戦といった様相。結局前走ともに4.3倍で一番人気を分け合った3頭が、上位を占めた。勝ったのは前走5着に敗れたヴェレマVéréma。人気を落としていたが、見事雪辱を果たした。調教師はA・ロワイエ・デュプレ。馬主はアガカーン殿下。前走の1着オンリーアプレジャーOnly a pleasureは3着、前走2着のカンティカンCanticumが2着と順位が入れ替わった。上位馬は凱旋門賞ウィークのGIIショドネ賞で再び相見える公算が高い。
 ルメール騎手はこの日3重賞のうち2つを制し、どちらも牝馬での勝利となった。

GIIIパン賞(3歳以上芝1400m)
凱旋門賞と同日に行われるGIフォレ賞(10月7日芝1400m)に向けたステップレース。勝ったのは昨年の4着馬ブルーソアーヴBlue Soave。条件戦2連勝で臨んだこのレース。GIモーリス・ド・ゲスト賞で好走したアメリカンデヴィルAmerican Devil、ロックウッドLockwoodに人気が集まったが、伏兵ブルーソアーヴがまんまと逃げ切った。これで24戦7勝で、重賞初制覇。F・シャペ調教師の管理馬、馬主はK・ブリュトー嬢とC・ギュスターヴ夫人。


    
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2012年9月5日水曜日

2012年仏ダービー馬サオノア 復帰に向けて着々と...

今年のジョッケクルブ賞を11番人気の評価を覆して制したサオノアSaônoisだったが、ようやく復帰戦に向けて調整にようやく本腰が入ってきた。

 3歳6月の時点ですでに12戦(6勝)と使われ続けてきた疲れはもう抜け切った。重要なレースの前はほぼ常に調教を行ってきた、いわば彼のホームとも言えるリヨン・パリー競馬場で、9月4日、仏ダービー以来となる追い切りを行った。ジャン=ピエール・ゴーヴァン調教師いわく、調整始めはしなやかさにかけ、不安を覚えたが、先週あたりから調子が上向きになり、追い切りをすることに決めたとのこと。春の時点では調教パートナー、ルヴィニーと同着がほとんどだったが、この日の調教では悠々と先着してみせた。「リヨンに来ると、調子を取り戻そうとするみたいで、安心したよ」とゴーヴァン調教師は語る。

 今後については明確なプランは決まっていないものの、復帰戦としては2400mのニエル賞が第一候補、まだ不安があれば2000mのプランス・ドランジュ賞へとのこと。馬の状態を見極めてからとはいうものの、やはり凱旋門賞を虎視眈々と狙っている様子。今年の凱旋門賞の古馬の壁は厚いが、ひとまず前哨戦で好成績を残し、3歳の代表格として凱旋門賞に名乗りを挙げてもらいたい一頭だ。

                                            2012年ジョッケクルブ賞     
          
          
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2012年9月4日火曜日

欧州中距離頂上決戦 シリュスデゼーグル、フランケルとの対決へ

 GI3勝馬シリュスデゼーグルCirrus des Aigles(セン6歳)が、チャンピオンS(10月20日アスコット競馬場・3歳以上2000m)で、連覇をかけて怪物フランケルとの対決に挑むプランが調教師により発表された。
 登録していた今週(9月8日)のアイリッシュチャンピオンSを調整不足のため回避し、秋の緒戦として9月15日メゾン=ラフィット競馬場でのラ・クープ・ド・メゾン=ラフィット(GIII3歳以上芝2000m)か、もしくは凱旋門賞ウィークに行われるロンシャン競馬場でのドラール賞(GII3歳以上1950m)という昨年と同じローテーションのいずれかに出走するとのこと。
 昨年度からアスコット競馬場に変更になったチャンピオンSでソーユースィンクを、今年に入ってからはドバイ・シーマ・クラシックではセントニコラスアベイといった一線級を斥け、続くガネー賞も連勝。前走イスパーン賞はゴールデンライラックに足許をすくわれ2着に敗れるものの、6歳を迎えてますます充実してきた感のあるシリュスデゼーグル。IFHA(国際競馬統括機関連盟)によって先月発表された2012年上半期のワールド・サラブレッド・ランキングではフランケル、ブラックキャヴィアに次いで第3位にランキングされているように、中距離では間違いなく現在トップレベルの実力。スプリント専門のブラックキャヴィアを除けば、実質中距離の1位、2位対決といっても過言ではない。
 インターナショナルSでのセントニコラスアベイとの着差を考えれば、フランケルの力はずば抜けていることは言うまでもない。ただ引退レースになる予定のチャンピオンSでもそうやすやすと勝たれてしまっては面白くない。フランケルの真の実力を見せてもらうためにも、シリュスデゼーグルには万全の状態で挑んで欲しい。                    


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2012年9月1日土曜日

アグネスワールド追悼 1999年アベ・ド・ロンシャン賞

8月20日、アベ・ド・ロンシャン賞、ジュライCを制したアグネスワールドが、社台スタリオンセンターで亡くなったとのこと。
 桁違いのスピードを持っていたものの、気性の悪さから、一本調子なレースしかできなかった不器用さが、かえって愛おしく感じられる馬でした。

 アベ・ド・ロンシャン賞(アベイもしくはアベイユと表記されることがありますが、正しい仏語の読み方はアベです)に挑戦すると報じられた時、いまだGI勝ちのない馬(中央GIII1勝、地方GII1勝)が海外GIに挑戦するなど無謀だと多くの人が思ったことでしょう。前年にタイキシャトルが ジャック・ル・マロワ賞を制したものの、すでに国内GI3勝を挙げていたからこそなし得たのであって、GIで連帯すらできない馬が海外の馬と勝負できる訳がないと。
 しかし森調教師はアグネスの素質が最も発揮しやすいのは1000mの、しかも直線コースだと確信し、周囲からは無謀とも思える挑戦をし、見事快挙を成し遂げました。環境の違いに対応し実力を発揮したアグネスの頑張りそのものはもちろんのこと、その馬に最も適したレースがあれば、国内外、中央地方問わず果敢に出走する森調教師の姿勢は十分賞賛に値すると思います。(森調教師はその前年1998年にもモーリス・ド・ゲスト賞をシーキングザパールで制し、日本調教馬初の欧州GI制覇を成し遂げている。)
 もしアグネスワールドがアイビスサマーダッシュに出走できていたらどんなタイムが出たんでしょう。カルストンライトオとの快速馬対決は、ありえないですが、見てみたいです。
 アグネスワールドの冥福を祈るとともに、アベ・ド・ロンシャン賞でのアグネスワールドの勇姿をご覧ください。


1999年 アベ・ド・ロンシャン賞
         (ドージマムテキも出走してたんですね。
          帯同馬としてでしょうが、すっかり忘れてました。)


 アグネスワールド 生涯成績 20戦8勝(うち地方1戦1勝 海外4戦2勝)
  父ダンジグ 母ミステリーズ 母父シアトルスルー
  半兄にヒシアケボノ(スプリンターズS)



           
   アグネス、シーキングの海外挑戦についてなど、森調教師の競馬についての考え方がこの一冊に凝集されています。競馬に興味がある方はぜひご一読ください。

                      
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2012年8月30日木曜日

2012年仏オークス馬ヴァリラ、3戦無敗でこの世を去る

8月29日(水)、ドーヴィルのクレールフォンテーヌ競馬場でのレースをもって、夏のドーヴィル開催が終わりを迎えたのだが、そのドーヴィルから悲しい知らせが届いた。

 ドーヴィルで調整中だった今年のディアヌ賞(仏オークス)馬ヴァリラValyraが、調教の一環としてドーヴィル海岸を散歩していたところ、進路を変えようとした際にバランスを崩して転び、骨折した。すぐに集中治療室に運ばれたものの、手の施しようがなく、安楽死の措置がとられたということだ。
 ドーヴィル競馬場で行われた昨日の公開調教では、秋の最初の目標であるヴェルメイユ賞(9月16日)に向けて、順調に調整が進められているというニュースが報じられたばかりだったが、これが残念ながら彼女のターフを駆け抜ける姿を見る最後となった。生涯成績は3戦無敗というあまりにも短いキャリアで、競走馬としての幕を降ろさなければならなかったのは、一ファンとして残念だが、彼女の冥福を祈るばかりだ。


8月28日ドーヴィル競馬場での調教風景

 ヴァリラは4月16日ボルドーの競馬場でデビューした後、次走シャンティでの条件戦も連勝。2戦無敗でディアヌ賞に挑戦し、11番人気の低評価ながらも、先頭を行く一番人気ディープインパクト産駒ビューティーパーラーを、直線残り100mほどで差し切り、ディープインパクト産駒の仏クラッシック2冠を期待した日本のファンを歯嚙みさせたことで、われわれの心にはっきりとその名は刻まれた。


2012年ディアヌ賞


 管理するルジェ調教師は今年の秋はヴェルメイユ賞から凱旋門賞という青写真を描いていたようだ。3戦無敗のオークス馬ながらも、これまで1番人気に推されたことはない。おそらくヴェルメイユ賞で初めて1番人気を獲得し、先頭でゴールする姿を多くの人が思い描いていたことだろう。さらに凱旋門賞での現役最強牝馬デインドリームとの初対決。しかしもうその姿を見ることはできない。


ヴァリラValyra
父ノーザンダンサー系アザムールAzamour(2005年キングジョージ等GI4勝)、母はリファール系ヴァリマValima、母の父リナミックスLinamix。アガ=カーン殿下所有、J.-C.・ルジェ調教師の管理馬。
 生涯成績3戦3勝
  4月16日 ロベール・ミゴ賞(条件戦) 4番人気 1着
  5月18日 ブリュノー賞(条件戦)   3番人気 1着
  6月17日 ディアヌ賞(GI)       11番人気 1着

   

2012年8月27日月曜日

良血馬の素質開花! GIIドーヴィル大賞他2重賞

8月26日はドーヴィル競馬場で3重賞が行われた。結果的には夏の間に激しい戦いを繰り広げてきた馬たちの疲労度が勝負の分かれ目となった。ここから秋の飛躍を目論む3歳馬が活躍し、秋に向けて楽しみが増えた。

まずはGIIIモトリ賞(3歳上芝1200m)。一番人気に推されたのは、モーリス・ド・ゲスト賞5着の3歳馬レスティアダルジョンだったが、6着。勝ったのは8歳馬ジミースタイルズ。
父はクラリオン系インチナー。母はオーエンチューダー系イニヤレイク。2着にはガマルト、3着には9歳馬マリオールが入り、ここでは古馬が貫禄を見せつけた形になった。


 GIIIキャンセー賞では実績馬ティンホースと上がり馬フラクショナルがともに単勝5倍で一番人気。ティンホースは前走ジャック・ル・マロワ賞の疲れが抜けていなかったのか、いいところなく9着惨敗。3歳馬フラクショナルが人気に応えて重賞初勝利をあげた。これで5戦4勝。今後の活躍が期待できそうだ。前回触れたようにフラクショナルの半姉ニードルクラフトは繁殖牝馬として日本に輸入されており、フラクショナルの甥・姪が日本のターフを走ることになるが、こちらにも注目したい。2着はムーンウォークインパリス、3着は人気薄キングエアーとともに騸馬が入った。

今日のメインレースはGIIドーヴィル大賞。勝ったのは3歳馬マスターストローク。重賞未勝利ながらも同世代の実力上位馬と互角の戦いを展開していただけに、さほど不思議はないが、4番人気と評価はあまり高くなかった。父はブランドフォード系モンズーン、母はニジンスキー系メリカー。祖母は凱旋門賞を制し、ジャパンカップ(8着)にも出走したアーバンシー。つまりマスターストロークはガリレオ(英ダービー、愛ダービー、キングジョージ)、シーザスターズ(英ダービー、凱旋門賞等GI6勝)という偉大なる叔父をもつ良血馬。このまま凱旋門賞へ向かうとなると楽しみな一頭だ。
 2着にはゴスデン調教師のゲートウッド、3着はオーケーコラル。
 ゴドルフィン、A・ファーブル厩舎の主戦騎手ギュイヨンがマスターストロークではなく、こちらに乗ったことで、一番人気に押されたテネンバウムは7着と大敗。まだキャリアも浅いだけに巻き返せるか。

 3重賞のうち、ゴドルフィン、A・ファーブル厩舎のコンビで2勝(フラクショナル、マスターストローク)とイギリス馬に押されていた今年のドーヴィルだったが、なんとかフランス勢が一矢報いる形となった。

2012年8月25日土曜日

夏競馬の締めくくり ドーヴィル3重賞 第3弾 GIIドーヴィル大賞

26日のメインレース、GIIドーヴィル大賞(3歳以上芝2500m)。過去の勝ち馬にはリアルシャダイ(吉田善哉氏所有)、ホワイトマズル(伊ダービー)、スウェイン(英クラシック2冠、キングジョージ2連覇)など名だたる名馬が名を連ねている。昨年は2011年カルティエ賞最優秀古馬を獲得したシリュスデゼーグルが優勝。今年はどの馬が歴史に名を刻むのか。2500mという距離の対応がポイントになってくる。

 
 今後の飛躍への期待も込めて、3歳馬を中心に見て行こう。実績からみて一番手はトップトリップTop Trip。GI仏ダービー、GIパリ大賞いずれも5着と、同世代では上位。これに続くのがマスターストロークMasterstroke。これまで5戦3勝2着2回と安定した成績で、GIIオカール賞ではトップトリップから1/2馬身差の2着と力差はない。同じくゴドルフィン所有、A・ファーブル厩舎のテネンバウムTenenbaumは初出走こそ2着に敗れたものの、3連勝でオープン入り。今回が初重賞挑戦だが、ゴドルフィン+ファーブル厩舎の主戦騎手M・ギュイヨンはテネンバウムに騎乗することを考えれば、十分勝機もある。

 3歳勢に立ちはだかる古馬勢ではユズュエロUsueloが好調。前々走GIIIバルブヴィル賞で初重賞制覇、前走GIIヴィコンテス・ヴィジエ賞では2着と4歳馬になって充実してきている。前2走はいずれも3100mと長丁場のレースを得意としており、スタミナ勝負にもちこみたい。
 前々走2着、前走3着といずれもユズュエロに先着を許している、プレーリースターPrairie Starだが、2500前後の方が好成績を残しており、距離短縮は好条件。十分馬券圏内。
 不気味なのはゲートウッドGatewood。4歳馬ながら未だキャリアは浅く、7戦4勝。3歳時は3戦したのみ。4歳になって条件戦、準オープンを3連勝した後、初重賞挑戦となる前走GIIIグロリアスSで3着。まだ底を見せておらず、侮りがたい。


   馬名               斤量                  騎手
1 アライドパワーズAllied Powers    58.5kg       J・スペンサー 
2 ドンボスコDon Bosco                                58.5kg    O・ペリエ
3 ゲートウッドGatewood                             58.5kg                W・ビュイック
4 ユズュエロUsuelo                                      58.5kg                A・ハムラン
5 プレーリースターPrairie Star                  58.5kg                 C・スミヨン
6 オーケーコラルOk Coral                          58.5kg                 N・ペレ
7 ミスラーゴMiss Lago                                 57kg                   G・ブノワ
8 モリーマローンMolly Malone                    57kg       U・リスポリ 
9 トップトリップTop Trip                            55kg       T・ヒュエ 
10 マスターストロークMasterstroke           53.5kg                M・バルザローナ
11 テネンバウムTenenbaum                         53.5kg                M・ギュイヨン






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夏競馬の締めくくり ドーヴィル3重賞 第2弾 GIIIキャンセー賞

26日に行われる3重賞の第2弾はGIIIキャンセー賞(3歳以上芝1600m)。

 これまでGIを戦ってきた馬が実力の違いを見せつけるのか、それとも夏に力を付けてきた馬が、秋へとつなげるレースをするのかが見所。

 GI組の一番手はティンホースTinhorse。昨年のプーラン・デッセ・プーランの勝ち馬で、その後出走した5つのGIでは5〜6着をうろついているものの、前々走GIIIメシドール賞では2馬身差と圧勝。前走ジャック・ル・マロワ賞は勝ったエクセレブレーションから離れた6着に敗れたが、ここでは中心になる。
 2番手はソーファストSofast。2歳GIラガルデール賞でダビルシムの2着、GIIIギッシュ賞ではサンボドリーノの2着と、同世代一線級のなかでも好成績を残している。ジョッケクルブ賞では着外だったが、これは距離が長過ぎた。前走GIジャン・プラ賞ではイソップスファーブルの5着。ティンホースとの斤量2.5kg差で逆転可能か。

 今年に入って4戦2勝、前2走はGIIIで2着、3着と好調を維持しているムーンウォークインパリスMoonwalk in Parisは前走3着ながらも、ティンホースに4馬身半差の3着。ただこのレースでは2kg斤量が重かったこともあり、同斤量の今回はもう少し差が縮められる可能性はある。

 上がり馬のなかではフラクショナルFractionalとカラモスKalamosに注目。これまで4戦3勝、前走でオープン入りを果たしたフラクショナルは、前々走、3戦目で挑戦したGIIウジェーヌ・アダン賞(芝2000m)で3着。これで距離に見切りをつけたのか、前走リステッド・レースでは1600mできっちり勝ち上がった。(首差2着がカラモス)フラクショナルの姉はGIIIクロエ賞(仏)、GIIIセルジオクマニ賞(伊)を勝ったニードルクラフト。引退後は繁殖牝馬として日本に輸入され、ケープクロスCape Crossとの仔を受胎しているとのこと。この2頭が実績馬を相手にどんなレースを見せてくれるのか。秋のムーラン・ド・ロンシャン賞につなげるレースを期待したい。

     出走予定馬            斤量          騎手
1 ムーンウォークインパリスMoonwalk in Paris    60kg    C・スミヨン
2 ケーニッヒコンコルドKönig Concorde                  60kg    U・リスポリ
3 ティンホースTinhorse                                               60kg    T・ジャルネ 
4 ソーファストSofast                                                   57.5kg     O・ペリエ
5  スュルオルムSulle Orme                                          57kg     G・モッセ
6 キングエアーKing Air                                               57kg                 C・ルメール 
7 セレブリシムCélèbrissime                                        57kg                 F・プラ
8 サンディーズチャームSandy's Charm                    56.5kg     F・ベルトラ  
9 シャマルダンスShamardanse                                   55,5kg    T・バシュロ 
10 フラクショナルFractional                                      55,5kg     M・ギュイヨン 
11 ティフォンゴTifongo                                              55,5kg              M・バルザローナ
12 カラモスKalamos                                                    54,5kg              T・チュリエズ
13 ムーンデイサンMoonday Sun                                54,5kg              G・ブノワ
14 イポリットHippolyte                      54,5kg               S・マイヨ



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2012年8月24日金曜日

夏競馬の締めくくり ドーヴィル3重賞 第1弾 GIIIモトリ賞

 今週日曜は夏のドーヴィル開催を締めくくる(といっても28日までレースはありますが)ドーヴィル大賞他2つの重賞が行われる。今年は例年に比べて、涼しい日が多かった夏ですが、ドーヴィルが終わるとフランスは一気に秋になった気分。これからは凱旋門賞へと気持ちは切り替わる。

まずはモトリ賞Prix de Meautry(GIII3歳以上1200m)。抜けた馬がおらず、展開次第でどの馬にもチャンスはある。モーリス・ド・ゲスト賞組とそれ以外の馬たちの力関係がポイントになる。
 まずモーリス・ド・ゲスト賞組からはマルシャンドールMarchand d'Or(8着)、ケラソナKerasona(7着)、レスティアダルジョンRestiadargent(5着)の3頭。マルシャンドールはモーリス・ド・ゲスト賞3連覇(2006〜2008)を成し遂げた歴史に残る名馬であり、昨年も同レースを制しているが、現在すでに9歳。さすがにスピードは衰え、近走は全盛期の影を見ることはできない。レスティアダルジョンは、前走こそムーンライトクラウドに離されたものの、前々走ダイアモンド・ジュビリーSでオーストラリアの女傑ブラックキャビア、ムーンライトクラウドに次いで3着(短頭差、首差)と、超一流馬とも互角に戦える力は秘めているだけに、ここは勝っておきたい。

今年のドーヴィルではイギリス勢の活躍が目につくが、ベストオブオーダーBest of Orderは前走GIIIパレ・ロワイヤル賞で8着とはいえ、勝ったムーンライトクラウドからは約5馬身差とモーリス・ド・ゲスト賞組とさほど差はない。先週レックレスアバンドンでモルニ賞を制したコックス調教師が送り込むのはジミースタイルズJimmy Styles。前走ダイアモンド・ジュビリーSは13着と大敗したものの、3走前にザチェカThe Cheka(モーリス・ド・ゲスト賞3着)と一馬身差の2着と、実力が発揮できれば上位進出もありうる。

 近走重賞で4着(GII)、4着(GIII)、2着(GIII)と好走を続けているシャマルガンShamalganも侮れない。前走は1600mから1400mへと距離短縮が功を奏してマショーラ(ロートシルト賞3着)の半馬身差。さらに1200mへと縮めたことが吉とでるか。
 ガマルトGammarthは前々走GIIIリス・オランジス賞がロックウッドLockwood(モーリス・ド・ゲスト賞6着)の2着。モーリス・ド・ゲスト賞5着から7着は僅差だけに、実力はさほど開きがあるわけではない。

 接戦が予想される本レースだが、3歳馬の活躍に期待して、レスティアダルジョン、ケラソナ、あとは好調なシャマルガあたりが有力か。

      出走予定馬          騎手 
 1 マリオール Mariol          T・ジャルネ
 2 マルシャンドール Marchand d'Or     D・ボニヤ
 3 ジミースタイルズJimmy Styles       G・モッセ
 4 ベストオブオーダーBest of Order     M・バルザローナ
 5 ファイアービーム Firebeam        T・チュリエズ
 6 ガマルトGammarth           C・スミヨン
 7 ルヴァランタン Le Valentin      A・クラトゥス
 8 シャマルガンShamalgan                             G・ブノワ
 9 スイスドリーム Swiss Dream      W・ビュイック
 10 スイススピリット Swiss Sprit                    J・スペンサー
 11 ケラソナKerasona           C・ルメール 
 12 レスティアダルジョンRestiadargent        M・ギュイヨン
 13 バルバヤム Barbayam        O・ペリエ




 


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2012年8月23日木曜日

2000でも怪物! インターナショナルS フランケル圧勝

フランケルの登場で例年以上ににぎわったインターナショナルS。これまで1600mまでは無敵のフランケルが約2ハロン距離が伸びてもやはり怪物なのかどうかということに、注目が集まりましたが、全く問題なし。一頭だけ次元の違うレースぶりで連勝を13に伸ばしました。

 レース映像はこちら

 道中は後方からでしたが、4角から直線にかけて徐々に進出すると、他馬が必死で追っているのを尻目に馬なりで先頭。残り300ほどで追い出してからはぐんぐん差を広げた。これほどの勝ち方を見せられると2400mではどうなのかとか、まだまだ興味が駆り立てられますね。

 2着は前走同様ファーFarhh。3着はオブライエン調教師の管理馬セントニコラスアベイSt Nicolas Abbeyと順当な結果でした。


 


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2012年8月21日火曜日

スノーフェアリー復帰戦 GIジャン・ロマネ賞

 小雨がぱらつくなか行われた今年のジャン・ロマネ賞。ロートシルト賞を勝ち、ジャック・ル・マロワ賞でも好走したイリューシヴケイトを前走ファルマス賞で破っているジオフラGiofraが、2000mに舞台を移してどのような競馬を見せてくれるのかに注目が集まったが、結果的には距離延長が裏目にでて、6着と惨敗。前々走ガネー賞(2100m)でも2着と必ずしも中距離で実績がない訳ではないものの、これは勝ったシリュスデゼーグルCirus des Aiglesに8馬身ちぎられてのもの。これで陣営としては、中距離に見切りをつけ、秋の目標をムーラン・ド・ロンシャン賞に定めるのではないか。


ジオフラGiofra


 道中好位につけ、一度は先頭をうかがうものの、差し馬2頭の切れ味に屈したガリコヴァGalikovaは、さらに距離が伸びていいだけに、次の目標はヴェルメイユ賞(2400m)か。

 勝ったのはスノーフェアリーSnow Fairy。実績からは一番人気に推されてもおかしくはなかったが、今年初戦ということが懸念されて3番人気。しかし直線の切れ味は抜群で、先頭のガリコヴァを一気に交わした。これで凱旋門賞馬デインドリームDane Dreamとの女傑対決も楽しみになるが、果たしてこのまま凱旋門賞へ向かうのか、それとも再び日本に渡り、エリザベス女王杯3連覇を目指すのか、今後の動向が気になる。しかしこれまでの成績を見る限り、硬い馬場、牝馬限定戦の方が良さそう。昨年のエリザベス女王杯では検量の問題でケチのついた形になったので、今年ははっきりと強いところを見せて欲しい。

スノーフェアリーSnow Fairy



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2012年8月20日月曜日

ハットトリック産駒連覇ならず  2012年モルニ賞

 ノルマンディー地方特有の、今にも雨が落ちてきそうな曇り空のもと、2歳短距離チャンピオンを決めるモルニ賞がドーヴィル競馬場で行われた。

 パドックでの周回中ぱらぱらと雨が降り始め、何やら波乱を予感させたが、出走までには天気は落ち着きを取り戻し、馬場状態は良馬場のまま。好スタートからハナを切り、1200m直線コースの外ラチ沿いに進路を取ったレックレスアバンドンReckless Abandonが一度も先頭を譲ることなく、無傷の4連勝で初GIの勲章を手にした。勝ちタイムは1分09秒60。父はダンジク系エクスチェンジレイトExchange Rate、母はセントエレナSant Erena、母の父エフィシオEfisio。コックス調教師は戦前から馬場が渋るのを懸念していたが、天候がなんとか持ちこたえたのも勝因のひとつ。しかしそれ以上に強い内容だった。前走ロベール・パパン賞とモルニ賞を連覇したのは、ブラッシンググルーム、アラジ、ディヴァインプロモーションズなどいずれも名馬ばかり。前々走では大きくよれ、今日もスタート前、ポケットに閉じこもってゲート入りを嫌うなど幼い面を残しているが、それを克服し、距離延長に対応できれば、さらに大きなところを期待できそうだ。

レックレスアバンドンReckless Abandon

2着には前走条件戦を勝ったばかりの9番人気ジョージヴァンクーヴァーGeorge Vancouverが好位から抜け出し、終始2番手につけていた10番人気パーラメントスクエアParliament Squareを交わした。2、3着はいずれもA.P.オブライエン調教師の管理馬。実績面から人気薄ではあったが、しっかりと照準を合わせるあたりはさすが。レース後パーラメントスクエアが4着サープランシアロットの進路を妨害したことが審議の対象となったが、入線通りに確定した。



 ハットトリック産駒で期待されたゼンジZenjiだったが、8着に敗れた。レースはいつも通り最後方から。残り400メートルあたりからスパートし、少しずつ上位との差は詰めるものの、前走ほどの切れは見られなかった。しかし現状では1200mは少し忙しく、1600〜1800mくらいまではこなせそうなので、今後の成長に期待したい。


                      ゼンジZenji
  
 フランス勢の最上位は前走カブール賞勝ちのマザミールMazameerの6着。同条件の前走では今回よりも速い1分09秒30のタイムを残しており、もう少しやれてもよさそうだったが、今年はイギリス馬の壁は厚かった。



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2012年8月18日土曜日

GIジャン・ロマネ賞 出走予定馬

8月19日、ドーヴィル競馬場ではモルニ賞だけでなく、もうひとつジャン・ロマネ賞(4歳以上牝馬・2000m)というGIが行われます。2004年に新設され、2009年からGIに格上げされたばかりで、フランス競馬ファンでもあまりなじみのないレースかもしれません。10月凱旋門賞と同日に行われるオペラ賞(3歳上牝馬・2000m)への前哨戦と位置づけられます。

 金曜の段階での出走予定馬は9頭。例年に比べて粒ぞろいの面白いレースが期待できそうだ。
 前々日販売での1番人気はジオフラGiofra。前々走ガネー賞ではシリュスデゼーグルCirus des Aiglesの2着、前走ファスマスSではイリューシヴケイト(ロートシルト賞勝ち、ジャック・ル・マロワ賞3着)、ゴールデンライラック(仏クラシック2冠馬)を破っている。1600mから2000mまで距離の融通は利くものの、父、母ともにダンジグ系という血統からもマイルがベストではないか。

 2番人気はガリコヴァGalikova。欧州GI最多勝(14勝)の女傑ゴルディコヴァの半妹で、ヴェルメイユ賞勝ち。偉大なる姉はマイラーだったが、父がガリレオに変わったことにより、距離は問題ない。ドーヴィル競馬場2000mと同条件の昨年のギョーム・ドルナーノ賞では、これまで無敗だったゴールデンライラックに初めて土をつけて快勝しており、オークス2着の雪辱を果たした。前走サン=クルー大賞はメアンドルの3着(4頭立て)だったが、今年最初のレースだったことを割り引いて考えれば、さらなる上積みが期待できそう。

 一昨年、昨年とエリザベス女王杯を連覇し、日本の競馬ファンに強烈な印象を残したスノーフェアリーSnow Fairyは現在3番人気。前々走チャンピオンSではシリュスデゼーグルの約1馬身半差の3着。ジオフラがガネー賞で8馬身ちぎられていることを考えれば、この距離では分があるか。問題はエリザベス女王杯以来ということ。休み明けでいきなりは苦しいか。

 ナッソーS組からは3頭。筆頭は2着馬タイムピースTimepiece。このレースを制したザヒュージュは英1000ギニー4着、英オークス3着と3歳トップクラス。また3着に退けたワズは英オークス馬と、世代は違うものの、一線級と互角のレースを展開している。4着シーオブハートブレイクSea of Heartbreak、6着イジートップIzzi Topの巻き返しもある。

 ただ上位三頭が強力なだけに、逆転とはいかないまでも、他馬がどこまで食い込んで来れるかに注目したい。

          出走予定馬

   1 タイムピース Timepieace       
   2 スノーフェアリー Snow Fairy
   3 シーオブハートブレイク Sea of Heartbreak
   4 ソルティレージュ Sortilège
   5 ジオフラ Giofra
   6 イジートップ Izzi Top
   7 シヨウマ Siyouma
   8 ガリコヴァ Galikova
   9 テンピューラ Tempura



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2012年8月17日金曜日

GIモルニ賞 出走予定馬 ハットトリック産駒ゼンジ出走予定

8月19日(日)はドーヴィル競馬場で二つのGIが行われる。今日はまず、2歳短距離チャンピオンを決めるモルニ賞(2歳牡牝1200m)について。
 
 木曜日の段階で出走予定馬は12頭。何といっても注目は昨年の覇者ダビルシムと同じハットトリック産駒のゼンジZenjiだが、ロベール・パパン賞勝ちのファミリーワンFamily Oneとの一騎打ちといった感もあった昨年に比べ、今年はなかなか骨のあるメンバーが揃った。前走ロラン・ド・シャンブール賞で初オープン勝ちを果たしたものの、このメンバーを相手にどれだけ勝負できるか、真価が問われる一戦だ。

 相手の筆頭はレックレスアバンドンReckless Abandon。ここまで3戦3勝で、前走ロベール・パパン賞の勝ちタイムは、ナタゴラ(英1000ギニー)に次ぐ好タイム。単純比較はできないものの、スタートからハナにたち、自分でレースを作ってのものだけに、かなりのスピードと持久力を備えていると思われる。コックス調教師が言うように、不安があるとすれば、当日の馬場状態。先週のジャック・ル・マロワ賞も速い時計だったが、乾いた馬場だと圧勝もありうる。ただ海のそばだけに変わりやすい天気が気になるところ。
 同じロベール・パパン賞組からは2着サープランシアロットSir Princealot、3着ペニーズピクニックPenny's Picnic、4着スノウデイSnowdayが出走。上位独占もありうる。

 モルニ賞と同条件のカブール賞を制したマザミールMazameerは昨年のダビルシムと同じローテンション。2歳の若駒同士の戦いだけに、同コースを一度経験した強みを活かしたい。

 未勝利馬ながらも前走GIIジュライSを制したアレバイェブAlhebayebだが、多少メンバーが手薄だった感も否めない。先週フランソワ・ブータン賞勝ちで2連勝を果たしたスティルヴァンドームStyle Vandômeも、ゴール直前で先頭のハバナゴールド騎乗のR・ムーア騎手が落馬するというアクシデントによって、勝利が転がり込んできたもの。運を味方につけないと苦しいか。
 他にもオープン勝ちのパーラメントスクエアParliament Square、カブール賞3着のパールフルートPearl Fluteなども侮れない。
 ハットトリック産駒の連覇を期待したいところだが、それ以上に見所あるレースになりそうだ。

    モルニ賞 出走予定馬
   1  ゼンジ Zenji
   2  アレバイェブ Alhebayeb
   3  マザミール Mazameer
   4  ムーハジム Moohaajim
   5  スティルヴァンドーム Style Vendôme
   6  パーラメントスクエア Parliament Square
   7  レックレスアバンドン Reckless Abandon
   8  ジョージヴァンクーヴァー George Vancouver
   9  パールフルート Pearl Flute
   10   サープランシアロット Sir Princealot
   11   ペニーズピクニック Penny's Picnic
   12   スノウディ Snow Day

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2012年8月16日木曜日

GIIギョーム・ドルナーノ賞 結果

終わってみれば、やはり仏ダービー2着の実績では伊達ではなかった。一番人気に押されたサンボドリーノSaint Baudolinoが2着に3馬身をつける圧勝。勝ちタイムは2:07:70。レースはリワーデッドとスターボードが先行し、サンボドリーノは中団に位置取り、直線に入ると楽々と抜け出し、実力の違いを見せつけた。前走パリ大賞3着で2400mの距離を疑問視する声もあり、このまま凱旋門賞に向かっていくのか、2000m前後の中距離路線を歩むのか難しいところ。canal turfでは次はニエル賞ではないかと予想しているが、そうするとやはり凱旋門賞を目指すことになるのか。  
 2着は、同じA・ファーブル厩舎のイソップズファーブルAesop's Fable。GIジャン・プラ賞の勝ち馬ながらも、これまで1600mまでしか走ったことがない点が不安視され、4番人気に甘んじていたが、これで2000mまでは対応できることがわかり、選択肢も広がった。しかしやはり今年の秋の目標はムーラン・ド・ロンシャン賞(芝1600m)か。先日ジャック・ル・マロワ賞を制したエクセレブレーションとの対決も楽しみ。  
 まだオープン勝ちはないものの、前走の勝ちっぷりから、同じアガ・カーン殿下所有のベリールBayrirとともにアラン・ド・ロワイエ・デュプレ厩舎の期待馬との評判から2番人気に押されたアシュキールAshkiyrはイソップズファーブルから鼻差3着と好走を見せ、秋の更なる飛躍が期待される。
 同じく上り馬として期待されたスモーキングサンSmoking Sun(3番人気)は5着に敗れた。
           全着順

  1着 サンボドリーノ       M・ギュイヨン
  2着 イソップズファーブル    P.C.・ブドー
  3着 アシュキール        C.P.・ルメール 
  4着 スターボード        W・ビュイック
  5着 スモーキングサン      S・パスキエ
  6着 グリドレーヴ        A・ハムラン
  7着 リワーディッド       K・ミルクザレック
  8着 アナキンスカイウォーカー  A・スタルク
  9着 ロワ            O・ペリエ

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2012年8月14日火曜日

GII ギョーム・ドルナーノ賞 出走予定馬

 8月15日、フランスでは聖母被昇天祭Assomptionという祝日です。どんなに街中のお店やレストランでも日曜・祝日は休むことの多いフランスでも、競馬はちゃんとやってます。というか年間カレンダーを見ると、365日どこかの競馬場で必ずレースはやっています。フランスでは競馬関係者がいちばんの働き者かもしれませんね。


 ドーヴィル競馬場ではGIIギョーム・ドルナーノ賞(3歳芝2000m)が行われます。昨年このレースを制したガリコヴァGalikovaは続くヴェルメイユ賞を勝ち、初のGIのタイトルを獲得しました。秋の飛躍を目指す馬たちの試金石ともいえる注目の一戦です。

 今年の出走馬は9頭。一番手は仏ダービー2着のサンボドリーノSaint Baudolino。前走パリ大賞も勝ったインペリアルモナークと差のない3着と3歳牡馬路線ではトップレベルに位置づけられる。同じA・ファーブル厩舎からはもう一頭の注目馬イソップスファーブルAesop's Fableも出走。前走ジャン・プラ賞で初GIを獲得したが、これまで短距離路線を歩んできただけに、2000mでどうか?
今年5月にデビューし、4戦3勝(2着1回)という好成績を残しているスモーキングサンSmoking Sunは重賞初挑戦。唯一敗れたオープン戦リッジウェイ賞の勝ち馬ベリールBayrirは、次走GIIウージェーヌ・アダン賞を快勝しているだけに、いきなり好勝負も期待できる。
 アガ・カーン殿下の所有馬アシュキールAshkiyrはオープン入りしたばかりだが、条件戦でスモーキングサンと半馬身差の2着、GIIIリス賞で勝馬から1馬身以内の3着と好走したこともあり、夏を越えてどれほど成長を遂げたか注目してみたい。

          GIIギョーム・ドルナーノ賞 出走予定馬

     馬名           騎手           調教師
  1 スターボード       W・ビュイック   J・ゴスデン
  2 アシュキール       C.-P.・ルメール     A. ・ド・ロワイエ
  3 グリドレーヴ       A・ハムラン     J.-P.・ゴーヴァン
  4 ロワ           O・ペリエ                     Jm.・ベギーニュ
  5 イソップスファーブル   P.-C.・ブドー      A・ファーブル
  6 サンボドリーノ      M・ギュイヨン   A・ファーブル
  7 スモーキングサン     S・パスキエ     P・バリー
  8 リワーディッド      K・ミルザレック  Jar・トーラー
  9 アナキンスカイウォーカー A・スターク    P・ヴォヴチェンコ


           

                              7月14日パリ大賞(ロンシャン競馬場)でのサンボドリーノ




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2012年8月13日月曜日

2012年 ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois

夏のドーヴィル開催のメインレース、ジャック・ル・マロワ賞(3歳以上芝1600m)が、8月12日ドーヴィル競馬場で行われた。

 出走は11頭だが、今年の注目は何といっても先週モーリス・ド・ゲスト賞を勝ったムーンライトクラウドMoonlight Cloud。同年にこの2つのレースを制した馬はこれまでいないだけに、ヘッド調教師の無謀とも思える挑戦がどのような結果をもたらすのか、多いに関心を集めたが、結果的には連闘に加えて、距離延長(1300mから1600m)がこたえて、4着に敗れた。それでも直線では3着イリューシヴケイトを頭差まで追いつめた。

 勝ったのはAP.オブライエン調教師の管理馬エクセレブレーションExcelebration。勝ちタイムは1分34秒6。昨年のムーラン・ド・ロンシャン賞 Prix Moulin de Longchampの勝ち馬だが、これまでGIでは3度怪物フランケルに敗れており(2着2回3着1回)、これでGI2勝目。フランケルのいないレースでは負けられないというところか。 スミヨン騎手はこれで3度目の同レース制覇。当日まで、ライアン・ムーア騎手が手綱を取る予定だったのだが、第3レースで最後の直線残り100mのところで、先頭を行くムーア騎手の鞍がずれて落馬するというアクシデントがあった。大きな怪我はなかったが、大事をとって騎手変更ということになった。幸運なスミヨン騎手はレース後こう語っている。「ゴール前で落馬したライアンには悪いけど、どうしても微笑んでしまうね。僕にとっては3度目のジャック・ル・マロワ賞を勝つ思いがけないチャンスだったから。騎乗を依頼されたとき、勝機があるというのは分かっていたよ。」

2着は伏兵シティスケープCityscape(9番人気)。今年3月にダークシャドウが9着に敗れたGIドバイ・デューティーフリーの勝ち馬だが、マイル一戦級との対決はあまりないが、逃げるイリューシヴケイトをピッタリ追走し、しぶとく追いすがると、最後は首差交わした。

前走ロートシルト賞Prix Rothschildを制し、勢いに乗るイリューシヴケイト(吉田照哉氏所有)だったが、好スタートからハナを切ったまではよかったものの、うまく目標にされた形になったのが、苦しかったか。



                  全着順
         馬名         騎手
     1着エクセレブレーション   C・スミヨン
     2着シティスケープ      J・ドイル
     3着イリューシヴケイト    F・デットーリ
     4着ムーンライトクラウド   T・ジャーネット
     5着キャスパーネッシャー   S・ケリー
     6着チンホース        C.-P.・ルメール
     7着ゴールデンライラック   M・ギュイヨン
     8着イモータルヴァース    G・モッセ
     9着インドミート       O・ペリエ
     10着ファーレンフォーユー    W・ビューイック
     11着モーストインプルーヴド    K・ファーロン







                                                  エクセレブレーション


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2012年8月9日木曜日

ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois 出走予定有力馬

夏のドーヴィル開催で最も注目のレース、ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois(3歳以上芝1600m)まで、あと数日。8日(水)の時点での出走予定馬は16頭。日曜までには出走取り消しをする馬もいるでしょうが、有力馬をピックアップしてしました。

 まず最も驚きなのが、8月5日にモーリス・ド・ゲスト賞 Prix Maurice de Gheestを勝ったばかりの、ムーンライトクラウドMoonlight Cloudが出走予定馬に名を連ねていること。5馬身差の圧勝で、余裕があったといえど、さすがに連闘は厳しいか。回避が濃厚ではないかと思います。

 現実的なところでは、ロートシルト賞 Prix Rotschild組のイリューシヴケイトElusive Kate(1着)、ゴールデンライラックGolden Lilac(2着)、昨年の覇者イモータルヴァースImmortal Verse(5着)。

 他には昨年のムーラン・ド・ロンシャン賞Prix de Moulin de Longchampの勝ち馬で、前走クィーン・アンSでは怪物フランケルの2着だったエクセレブレーションExcelebration。 これまでフランケルとは2着4回3着1回と、何度も勝ちを阻まれているだけに、フランケルのいないレースでは勝っておきたいところ。
 
 今年の愛2000ギニーの勝ち馬でGI2勝のパワーPower、そのパワーに前走セントジェームスパレスSで圧勝し、GI初勝利をあげたモーストインプルーヴドMost Improved、前走コロネーションSを快勝したファーレンフォーユーFallen For Youなどの3歳馬にも注目。

 国別に見ると、フランス勢では、出走が微妙なムーンライトクラウドを除けば、ゴールデンライラック、イモータルヴァース、ティンホースTin Horse(11年プーラン・デッセ・プーラン勝ち)が有力どころか。エクセレブレーション、イリューシヴケイトなど強力な英国勢を迎え撃てるか?

                         2011年ジャック・ル・マロワ賞(勝ち馬イモータルヴァース)



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2012年8月4日土曜日

2011年 モーリス・ド・ゲスト賞

今週末に行われるモーリス・ド・ゲスト賞(ドーヴィル・芝1300m)に出走予定のムーンライトクラウドMoonlight Cloudは昨年の覇者。昨年3着のマルシャンドールMarchand d'orは2006年から2008年まで同レースを三連覇したが、すでに9歳。年齢的にどうか?




2011年モーリス・ド・ゲスト賞 ムーンライトクラウド





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2012年7月31日火曜日

ロートシルト賞 結果

GI ロートシルト賞 結果
7月29日、ドーヴィル競馬場で行われたGI ロートシルト賞(3歳以上牝馬限定・芝1600m)は、4歳馬と3歳馬の対決に注目が集まったが、マルセル・ブサック賞馬イリューシヴケイト(2番人気)が好スタートから一度も先頭を譲ることなく、ゴールデンライラックの追撃を退け、逃げ切り勝ちをおさめた。
イリューシヴケイトは先のエントリー(http://coursedecheval.blogspot.fr/2012/07/blog-post_27.html)でも触れたように吉田照哉氏の所有馬。これでドーヴィルでは3戦全勝(うち重賞2勝)と相性がいいだけに、ジャック・ル・マロワ賞に出走すれば、最有力馬と言っていいだろう。
1番人気に推されたゴールデンライラックはラスト追い上げを見せるが、差は縮まらず。それでも前走9着の大敗から復調を予感させる内容だった。
イモータルヴァースは直前までコレ調教師が出走するかどうか迷っていただけに、明らかに調整不足といった様子で、これまでの実績にも関わらず5頭中5番人気だったが、大方の予想通り全くいいところを見せることなく、先頭から6馬身ほど離された5着。次走に向けての試運転の意味合いが強かったのだろうが、それでもこれからどう立て直せるのか不安が残るレースとなった。
         
                                      2012年7月29日  ロートシルト賞(ドーヴィル競馬場)




着順
馬番
馬 名
騎手
タイム・着差
調教師
イリューシヴケイト
W・ビュイック
13740
J・ゴスデン
ゴールデンライラック
M・ギュイヨン
1  1/4
A・ファーブル
マショーラ
C・スミヨン
2  1/2
J.-C.・ルジェ
サガワラ
C.-P.・ルメール
1/2
A・ド・ロワイエ・デュプレ
イモータルヴァース
G・モッセ
3  1/2
R・コレ


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