パドックでの周回中ぱらぱらと雨が降り始め、何やら波乱を予感させたが、出走までには天気は落ち着きを取り戻し、馬場状態は良馬場のまま。好スタートからハナを切り、1200m直線コースの外ラチ沿いに進路を取ったレックレスアバンドンReckless Abandonが一度も先頭を譲ることなく、無傷の4連勝で初GIの勲章を手にした。勝ちタイムは1分09秒60。父はダンジク系エクスチェンジレイトExchange Rate、母はセントエレナSant Erena、母の父エフィシオEfisio。コックス調教師は戦前から馬場が渋るのを懸念していたが、天候がなんとか持ちこたえたのも勝因のひとつ。しかしそれ以上に強い内容だった。前走ロベール・パパン賞とモルニ賞を連覇したのは、ブラッシンググルーム、アラジ、ディヴァインプロモーションズなどいずれも名馬ばかり。前々走では大きくよれ、今日もスタート前、ポケットに閉じこもってゲート入りを嫌うなど幼い面を残しているが、それを克服し、距離延長に対応できれば、さらに大きなところを期待できそうだ。
レックレスアバンドンReckless Abandon
2着には前走条件戦を勝ったばかりの9番人気ジョージヴァンクーヴァーGeorge Vancouverが好位から抜け出し、終始2番手につけていた10番人気パーラメントスクエアParliament Squareを交わした。2、3着はいずれもA.P.オブライエン調教師の管理馬。実績面から人気薄ではあったが、しっかりと照準を合わせるあたりはさすが。レース後パーラメントスクエアが4着サープランシアロットの進路を妨害したことが審議の対象となったが、入線通りに確定した。
ハットトリック産駒で期待されたゼンジZenjiだったが、8着に敗れた。レースはいつも通り最後方から。残り400メートルあたりからスパートし、少しずつ上位との差は詰めるものの、前走ほどの切れは見られなかった。しかし現状では1200mは少し忙しく、1600〜1800mくらいまではこなせそうなので、今後の成長に期待したい。
ゼンジZenji
フランス勢の最上位は前走カブール賞勝ちのマザミールMazameerの6着。同条件の前走では今回よりも速い1分09秒30のタイムを残しており、もう少しやれてもよさそうだったが、今年はイギリス馬の壁は厚かった。
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