2012年7月31日火曜日

ロートシルト賞 結果

GI ロートシルト賞 結果
7月29日、ドーヴィル競馬場で行われたGI ロートシルト賞(3歳以上牝馬限定・芝1600m)は、4歳馬と3歳馬の対決に注目が集まったが、マルセル・ブサック賞馬イリューシヴケイト(2番人気)が好スタートから一度も先頭を譲ることなく、ゴールデンライラックの追撃を退け、逃げ切り勝ちをおさめた。
イリューシヴケイトは先のエントリー(http://coursedecheval.blogspot.fr/2012/07/blog-post_27.html)でも触れたように吉田照哉氏の所有馬。これでドーヴィルでは3戦全勝(うち重賞2勝)と相性がいいだけに、ジャック・ル・マロワ賞に出走すれば、最有力馬と言っていいだろう。
1番人気に推されたゴールデンライラックはラスト追い上げを見せるが、差は縮まらず。それでも前走9着の大敗から復調を予感させる内容だった。
イモータルヴァースは直前までコレ調教師が出走するかどうか迷っていただけに、明らかに調整不足といった様子で、これまでの実績にも関わらず5頭中5番人気だったが、大方の予想通り全くいいところを見せることなく、先頭から6馬身ほど離された5着。次走に向けての試運転の意味合いが強かったのだろうが、それでもこれからどう立て直せるのか不安が残るレースとなった。
         
                                      2012年7月29日  ロートシルト賞(ドーヴィル競馬場)




着順
馬番
馬 名
騎手
タイム・着差
調教師
イリューシヴケイト
W・ビュイック
13740
J・ゴスデン
ゴールデンライラック
M・ギュイヨン
1  1/4
A・ファーブル
マショーラ
C・スミヨン
2  1/2
J.-C.・ルジェ
サガワラ
C.-P.・ルメール
1/2
A・ド・ロワイエ・デュプレ
イモータルヴァース
G・モッセ
3  1/2
R・コレ


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2012年7月27日金曜日

ロートシルト賞(GI)


729日 ロートシルト賞Prix Rothschild (3歳以上牝馬限定・1600m)ドーヴィル競馬場

 夏のドーヴィル競馬場の開幕を告げるGIロートシルト賞。牝馬限定ながら、昨今の短距離路線での牝馬の活躍をみれば、ジャック・ル・マロワ賞(812日)、モーリス・ド・ギース賞を占う重要なレース。昨年まではヨーロッパGI最多勝(14勝)のゴルディコヴァGoldikovaが4連覇の記録を打ち立てたが、今年も出走馬5頭ながらも、実力の拮抗した好レースが期待できる。
 まず注目はマイルチャンピオンシップ以来となるイモータルヴァースImmortal Verse。昨年のジャック・ル・マロワ賞ではゴルディコヴァを破るが、クィーン・エリザベス2世Sではフランケルの3着、マイルチャンピオンシップでは7着からの復帰戦とあって、仕上がり具合がポイントとなる。コレ調教師は「まだ追い切りが足りないから、ジャック・ル・マロワ賞かモーリス・ド・ギース賞に直行するかもしれない」と前置きしながらも、「でも日曜でも走れるよ」と出走に前向きな様子。ドーヴィルの直線コースを得意としており、本番に向けての試運転といったところか。
 プールデセプーリッシュ(仏1000ギニー・3歳牝馬限定芝1600m)でイモータルヴァースに圧勝し、仏オークス(シャンティ・3歳牝馬限定芝2100m)も制した2冠馬ゴールデンライラックGolden Lilacは今年になってGIイスパーン賞(ロンシャン・4歳以上芝1850m)を勝ったものの、前走ニューマーケットでのGIファルマス賞で9着と大敗したのがマイナス材料。2000m前後が適距離のようなので、直線1600mのスピード勝負は少し厳しいか。
 昨年の仏2歳牝馬チャンピオン(マルセル・ブサック賞)でファルマス賞では2着とゴールデンライラックに先着したイリューシヴケイトElusive Kate3歳馬ながらも、古馬一線級との対決。3.5kgの斤量差を活かしたい。ちなみにこの馬のオーナーは吉田照哉氏。引退後は日本で繁殖入りするようなので、現役時代の走りにも注目。
 GIサンタラ賞(ロンシャン・3歳牝馬限定2000m)を制するも、仏オークスでは8着と大敗したサガワラSagawara。距離短縮が吉と出るか。
  GIII 2勝(プリューダンス賞、ポルト・マイヨ賞)のマショーラMashooraはこのメンバーの中では多少見劣りするが、前走古馬や牡馬相手に勝利をおさめているだけに、距離適性と斤量差を活かして好走を期待したい。



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2012年7月23日月曜日

ロベール・パパン賞(GII)


722日 ロベール・パパン賞(メゾン・ラフィット競馬場)

 パリ近郊のメゾン・ラフィット競馬場でGIIロベール・パパン賞(2歳牡牝・1100m)が行われた。夏の2歳短距離チャンピオン決定戦モルニ賞(ドーヴィル・1200m)へ向けて重要なレースのひとつ。過去の勝ち馬には、ゼダーンZeddaan(トニービンの曾祖父)、ブラッシンググルームBlushing Gloom(ラムタラ、テイエムオペラオーなどの母父)、アラジAraziBCジュベナイルを圧勝した「ワンダー・ホース」)、ディヴァインプロモーションズDivine PromotionsGI5勝)、ナタゴラNatagora2007年カルティエ賞最優秀2歳牝馬・英1000ギニー)など錚々たるメンバーが名を連ねている。
 戦前の予想ではイギリス馬2頭とフランス馬2頭の対決という構図だったが、終わってみればイギリス馬の圧勝だった。前走アスコットでノーフォークS(GII1000m)を制したレックレスアバンドンReckless AbandonがサープランシアロットSir Prancealot(前々走オープン勝ち)の追撃を振りきって逃げ切り勝ち。前走は最後の1ハロンで大きく左によれるなど幼さをみせ、今回もパドックでは落ち着きがなさそうに見えたが、レースには影響なく無傷の3連勝を記録した。勝ちタイム04 00は近年ではナタゴラに次ぐ好タイム。一方でフランス馬スノウデイSnow DayGIIIボワ賞勝ち)、ペニーズピクニックPenny’s Picnic3戦全勝)は見せ場なく、3着、4着に敗れた。
 コックス調教師によると次走はドーヴィルでのモルニ賞とのこと。同レースに出走予定のハットトリック産駒ゼンジZenjiの強力なライバルとなりうるだけに、今後の動向が気になる。




                                                レックレスアバンドン
                            


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ベルリン大賞 メアンドルが新たなGIタイトルを獲得


デインドリームを負かした前走サン=クルー大賞での勝利の後、メアンドルは、日曜日(722日)美しいホッペガルデン競馬場で争われたベルリン大賞を制し、GIの新たな勲章を手に入れた。

 アンドレ・ファーブル調教師の所有馬メアンドルは、当然のごとく、昨年デインドリームが制したこのレースの一番人気。結果はまさにその通り。マキシム・ギュイヨンは語る「土曜日にイギリスでデインドリームが勝った(訳注:キングジョージ6世&クィーンエリザベスS)のを見て、僕はもちろんすぐに自分の馬のことを考えたよ。今日メアンドルはサン=クルー大賞で見せてくれた力を確認したよ。」アラ・ド・モートゥリ(エドゥアール・ド・ロットシルト男爵の育成牧場)のマネージャーであるニック・ベルはこう付け加える。「メアンドルが三つ目のGIのタイトルを加えてくれたことは喜ばしい。今後に関しては、どこに進むかはもちろんアンドレ・ファーブルが決めることだが、凱旋門賞にしろ、バーデン=バーデン大賞にしろ、この距離のGIレースどれでも出走できる。」スタートからアールオブティンスダールが飛ばしたが、マキシム・ギュイヨンはすぐに馬を落ち着かせ、先頭2頭からほど近いロープ際の位置を取る。最終コーナーを回ってすぐにスパートし、ゴール板までリードを守りきった。「いき足はつかなかったけど、ハナをきるつもりはなかった。前目につけていればよかったんだ。」去年スカーロに騎乗してデインドリームに負かされたマキシム・ギュイヨンは語る。「でもメアンドルはいい馬だし、最後まで闘志を見せてくれたね。」ドイツのレースは一つの方向にだけ照準を合わせるならば、良い結果を残している。それは凱旋門賞だ。
                     (Paris Turf電子版 7月22日18:34付けより)

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2012年7月15日日曜日

魅力的なゼンジ

魅力的なゼンジ


アンドレ・ファーブル厩舎の2歳馬が、さらに上のクラスでの未来を予感させる走りで、初オープンとなったローラン・ド・シャンビュール賞を制した。

 ゼンジ(父ハットトリック)の勝利に終わってみれば、このオープンは彼の目標というよりも、ステップレースであるかのようだった。実際に、アンドレ・ファーブル厩舎の牡馬は、2着馬サーパトリックムーア(父アストロノーマーロワイヤル)の差し返しや、追い出しの際に3着カムラン(父グリーンチューン)にぶつけられたにも関わらず、レースを制した。ピエール=シャルル・ブドーの辛抱強い騎乗もあって、ゼンジは2002年のクリテリウム・ド・メゾン=ラフィットの覇者で、同じくエリザベート・ファーブル所有の母ジンジベリーヌに名誉をもたらした。「ちょっと遠回りにはなったけど、いい進路を取らせたかったんだ。道中はリラックスしてて、直線ではトップスピードに乗せれたね」と勝利ジョッキーは語る。これでアンドレ・ファーブルは出走登録の選択肢が広がった訳だが、1200mに戻るモルニ賞(GI819日)が予定されている。
                             (Paris turfより一部抜粋)

パドックでのゼンジ
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