2012年8月18日土曜日

GIジャン・ロマネ賞 出走予定馬

8月19日、ドーヴィル競馬場ではモルニ賞だけでなく、もうひとつジャン・ロマネ賞(4歳以上牝馬・2000m)というGIが行われます。2004年に新設され、2009年からGIに格上げされたばかりで、フランス競馬ファンでもあまりなじみのないレースかもしれません。10月凱旋門賞と同日に行われるオペラ賞(3歳上牝馬・2000m)への前哨戦と位置づけられます。

 金曜の段階での出走予定馬は9頭。例年に比べて粒ぞろいの面白いレースが期待できそうだ。
 前々日販売での1番人気はジオフラGiofra。前々走ガネー賞ではシリュスデゼーグルCirus des Aiglesの2着、前走ファスマスSではイリューシヴケイト(ロートシルト賞勝ち、ジャック・ル・マロワ賞3着)、ゴールデンライラック(仏クラシック2冠馬)を破っている。1600mから2000mまで距離の融通は利くものの、父、母ともにダンジグ系という血統からもマイルがベストではないか。

 2番人気はガリコヴァGalikova。欧州GI最多勝(14勝)の女傑ゴルディコヴァの半妹で、ヴェルメイユ賞勝ち。偉大なる姉はマイラーだったが、父がガリレオに変わったことにより、距離は問題ない。ドーヴィル競馬場2000mと同条件の昨年のギョーム・ドルナーノ賞では、これまで無敗だったゴールデンライラックに初めて土をつけて快勝しており、オークス2着の雪辱を果たした。前走サン=クルー大賞はメアンドルの3着(4頭立て)だったが、今年最初のレースだったことを割り引いて考えれば、さらなる上積みが期待できそう。

 一昨年、昨年とエリザベス女王杯を連覇し、日本の競馬ファンに強烈な印象を残したスノーフェアリーSnow Fairyは現在3番人気。前々走チャンピオンSではシリュスデゼーグルの約1馬身半差の3着。ジオフラがガネー賞で8馬身ちぎられていることを考えれば、この距離では分があるか。問題はエリザベス女王杯以来ということ。休み明けでいきなりは苦しいか。

 ナッソーS組からは3頭。筆頭は2着馬タイムピースTimepiece。このレースを制したザヒュージュは英1000ギニー4着、英オークス3着と3歳トップクラス。また3着に退けたワズは英オークス馬と、世代は違うものの、一線級と互角のレースを展開している。4着シーオブハートブレイクSea of Heartbreak、6着イジートップIzzi Topの巻き返しもある。

 ただ上位三頭が強力なだけに、逆転とはいかないまでも、他馬がどこまで食い込んで来れるかに注目したい。

          出走予定馬

   1 タイムピース Timepieace       
   2 スノーフェアリー Snow Fairy
   3 シーオブハートブレイク Sea of Heartbreak
   4 ソルティレージュ Sortilège
   5 ジオフラ Giofra
   6 イジートップ Izzi Top
   7 シヨウマ Siyouma
   8 ガリコヴァ Galikova
   9 テンピューラ Tempura



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2012年8月17日金曜日

GIモルニ賞 出走予定馬 ハットトリック産駒ゼンジ出走予定

8月19日(日)はドーヴィル競馬場で二つのGIが行われる。今日はまず、2歳短距離チャンピオンを決めるモルニ賞(2歳牡牝1200m)について。
 
 木曜日の段階で出走予定馬は12頭。何といっても注目は昨年の覇者ダビルシムと同じハットトリック産駒のゼンジZenjiだが、ロベール・パパン賞勝ちのファミリーワンFamily Oneとの一騎打ちといった感もあった昨年に比べ、今年はなかなか骨のあるメンバーが揃った。前走ロラン・ド・シャンブール賞で初オープン勝ちを果たしたものの、このメンバーを相手にどれだけ勝負できるか、真価が問われる一戦だ。

 相手の筆頭はレックレスアバンドンReckless Abandon。ここまで3戦3勝で、前走ロベール・パパン賞の勝ちタイムは、ナタゴラ(英1000ギニー)に次ぐ好タイム。単純比較はできないものの、スタートからハナにたち、自分でレースを作ってのものだけに、かなりのスピードと持久力を備えていると思われる。コックス調教師が言うように、不安があるとすれば、当日の馬場状態。先週のジャック・ル・マロワ賞も速い時計だったが、乾いた馬場だと圧勝もありうる。ただ海のそばだけに変わりやすい天気が気になるところ。
 同じロベール・パパン賞組からは2着サープランシアロットSir Princealot、3着ペニーズピクニックPenny's Picnic、4着スノウデイSnowdayが出走。上位独占もありうる。

 モルニ賞と同条件のカブール賞を制したマザミールMazameerは昨年のダビルシムと同じローテンション。2歳の若駒同士の戦いだけに、同コースを一度経験した強みを活かしたい。

 未勝利馬ながらも前走GIIジュライSを制したアレバイェブAlhebayebだが、多少メンバーが手薄だった感も否めない。先週フランソワ・ブータン賞勝ちで2連勝を果たしたスティルヴァンドームStyle Vandômeも、ゴール直前で先頭のハバナゴールド騎乗のR・ムーア騎手が落馬するというアクシデントによって、勝利が転がり込んできたもの。運を味方につけないと苦しいか。
 他にもオープン勝ちのパーラメントスクエアParliament Square、カブール賞3着のパールフルートPearl Fluteなども侮れない。
 ハットトリック産駒の連覇を期待したいところだが、それ以上に見所あるレースになりそうだ。

    モルニ賞 出走予定馬
   1  ゼンジ Zenji
   2  アレバイェブ Alhebayeb
   3  マザミール Mazameer
   4  ムーハジム Moohaajim
   5  スティルヴァンドーム Style Vendôme
   6  パーラメントスクエア Parliament Square
   7  レックレスアバンドン Reckless Abandon
   8  ジョージヴァンクーヴァー George Vancouver
   9  パールフルート Pearl Flute
   10   サープランシアロット Sir Princealot
   11   ペニーズピクニック Penny's Picnic
   12   スノウディ Snow Day

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2012年8月16日木曜日

GIIギョーム・ドルナーノ賞 結果

終わってみれば、やはり仏ダービー2着の実績では伊達ではなかった。一番人気に押されたサンボドリーノSaint Baudolinoが2着に3馬身をつける圧勝。勝ちタイムは2:07:70。レースはリワーデッドとスターボードが先行し、サンボドリーノは中団に位置取り、直線に入ると楽々と抜け出し、実力の違いを見せつけた。前走パリ大賞3着で2400mの距離を疑問視する声もあり、このまま凱旋門賞に向かっていくのか、2000m前後の中距離路線を歩むのか難しいところ。canal turfでは次はニエル賞ではないかと予想しているが、そうするとやはり凱旋門賞を目指すことになるのか。  
 2着は、同じA・ファーブル厩舎のイソップズファーブルAesop's Fable。GIジャン・プラ賞の勝ち馬ながらも、これまで1600mまでしか走ったことがない点が不安視され、4番人気に甘んじていたが、これで2000mまでは対応できることがわかり、選択肢も広がった。しかしやはり今年の秋の目標はムーラン・ド・ロンシャン賞(芝1600m)か。先日ジャック・ル・マロワ賞を制したエクセレブレーションとの対決も楽しみ。  
 まだオープン勝ちはないものの、前走の勝ちっぷりから、同じアガ・カーン殿下所有のベリールBayrirとともにアラン・ド・ロワイエ・デュプレ厩舎の期待馬との評判から2番人気に押されたアシュキールAshkiyrはイソップズファーブルから鼻差3着と好走を見せ、秋の更なる飛躍が期待される。
 同じく上り馬として期待されたスモーキングサンSmoking Sun(3番人気)は5着に敗れた。
           全着順

  1着 サンボドリーノ       M・ギュイヨン
  2着 イソップズファーブル    P.C.・ブドー
  3着 アシュキール        C.P.・ルメール 
  4着 スターボード        W・ビュイック
  5着 スモーキングサン      S・パスキエ
  6着 グリドレーヴ        A・ハムラン
  7着 リワーディッド       K・ミルクザレック
  8着 アナキンスカイウォーカー  A・スタルク
  9着 ロワ            O・ペリエ

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2012年8月14日火曜日

GII ギョーム・ドルナーノ賞 出走予定馬

 8月15日、フランスでは聖母被昇天祭Assomptionという祝日です。どんなに街中のお店やレストランでも日曜・祝日は休むことの多いフランスでも、競馬はちゃんとやってます。というか年間カレンダーを見ると、365日どこかの競馬場で必ずレースはやっています。フランスでは競馬関係者がいちばんの働き者かもしれませんね。


 ドーヴィル競馬場ではGIIギョーム・ドルナーノ賞(3歳芝2000m)が行われます。昨年このレースを制したガリコヴァGalikovaは続くヴェルメイユ賞を勝ち、初のGIのタイトルを獲得しました。秋の飛躍を目指す馬たちの試金石ともいえる注目の一戦です。

 今年の出走馬は9頭。一番手は仏ダービー2着のサンボドリーノSaint Baudolino。前走パリ大賞も勝ったインペリアルモナークと差のない3着と3歳牡馬路線ではトップレベルに位置づけられる。同じA・ファーブル厩舎からはもう一頭の注目馬イソップスファーブルAesop's Fableも出走。前走ジャン・プラ賞で初GIを獲得したが、これまで短距離路線を歩んできただけに、2000mでどうか?
今年5月にデビューし、4戦3勝(2着1回)という好成績を残しているスモーキングサンSmoking Sunは重賞初挑戦。唯一敗れたオープン戦リッジウェイ賞の勝ち馬ベリールBayrirは、次走GIIウージェーヌ・アダン賞を快勝しているだけに、いきなり好勝負も期待できる。
 アガ・カーン殿下の所有馬アシュキールAshkiyrはオープン入りしたばかりだが、条件戦でスモーキングサンと半馬身差の2着、GIIIリス賞で勝馬から1馬身以内の3着と好走したこともあり、夏を越えてどれほど成長を遂げたか注目してみたい。

          GIIギョーム・ドルナーノ賞 出走予定馬

     馬名           騎手           調教師
  1 スターボード       W・ビュイック   J・ゴスデン
  2 アシュキール       C.-P.・ルメール     A. ・ド・ロワイエ
  3 グリドレーヴ       A・ハムラン     J.-P.・ゴーヴァン
  4 ロワ           O・ペリエ                     Jm.・ベギーニュ
  5 イソップスファーブル   P.-C.・ブドー      A・ファーブル
  6 サンボドリーノ      M・ギュイヨン   A・ファーブル
  7 スモーキングサン     S・パスキエ     P・バリー
  8 リワーディッド      K・ミルザレック  Jar・トーラー
  9 アナキンスカイウォーカー A・スターク    P・ヴォヴチェンコ


           

                              7月14日パリ大賞(ロンシャン競馬場)でのサンボドリーノ




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2012年8月13日月曜日

2012年 ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois

夏のドーヴィル開催のメインレース、ジャック・ル・マロワ賞(3歳以上芝1600m)が、8月12日ドーヴィル競馬場で行われた。

 出走は11頭だが、今年の注目は何といっても先週モーリス・ド・ゲスト賞を勝ったムーンライトクラウドMoonlight Cloud。同年にこの2つのレースを制した馬はこれまでいないだけに、ヘッド調教師の無謀とも思える挑戦がどのような結果をもたらすのか、多いに関心を集めたが、結果的には連闘に加えて、距離延長(1300mから1600m)がこたえて、4着に敗れた。それでも直線では3着イリューシヴケイトを頭差まで追いつめた。

 勝ったのはAP.オブライエン調教師の管理馬エクセレブレーションExcelebration。勝ちタイムは1分34秒6。昨年のムーラン・ド・ロンシャン賞 Prix Moulin de Longchampの勝ち馬だが、これまでGIでは3度怪物フランケルに敗れており(2着2回3着1回)、これでGI2勝目。フランケルのいないレースでは負けられないというところか。 スミヨン騎手はこれで3度目の同レース制覇。当日まで、ライアン・ムーア騎手が手綱を取る予定だったのだが、第3レースで最後の直線残り100mのところで、先頭を行くムーア騎手の鞍がずれて落馬するというアクシデントがあった。大きな怪我はなかったが、大事をとって騎手変更ということになった。幸運なスミヨン騎手はレース後こう語っている。「ゴール前で落馬したライアンには悪いけど、どうしても微笑んでしまうね。僕にとっては3度目のジャック・ル・マロワ賞を勝つ思いがけないチャンスだったから。騎乗を依頼されたとき、勝機があるというのは分かっていたよ。」

2着は伏兵シティスケープCityscape(9番人気)。今年3月にダークシャドウが9着に敗れたGIドバイ・デューティーフリーの勝ち馬だが、マイル一戦級との対決はあまりないが、逃げるイリューシヴケイトをピッタリ追走し、しぶとく追いすがると、最後は首差交わした。

前走ロートシルト賞Prix Rothschildを制し、勢いに乗るイリューシヴケイト(吉田照哉氏所有)だったが、好スタートからハナを切ったまではよかったものの、うまく目標にされた形になったのが、苦しかったか。



                  全着順
         馬名         騎手
     1着エクセレブレーション   C・スミヨン
     2着シティスケープ      J・ドイル
     3着イリューシヴケイト    F・デットーリ
     4着ムーンライトクラウド   T・ジャーネット
     5着キャスパーネッシャー   S・ケリー
     6着チンホース        C.-P.・ルメール
     7着ゴールデンライラック   M・ギュイヨン
     8着イモータルヴァース    G・モッセ
     9着インドミート       O・ペリエ
     10着ファーレンフォーユー    W・ビューイック
     11着モーストインプルーヴド    K・ファーロン







                                                  エクセレブレーション


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2012年8月9日木曜日

ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois 出走予定有力馬

夏のドーヴィル開催で最も注目のレース、ジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois(3歳以上芝1600m)まで、あと数日。8日(水)の時点での出走予定馬は16頭。日曜までには出走取り消しをする馬もいるでしょうが、有力馬をピックアップしてしました。

 まず最も驚きなのが、8月5日にモーリス・ド・ゲスト賞 Prix Maurice de Gheestを勝ったばかりの、ムーンライトクラウドMoonlight Cloudが出走予定馬に名を連ねていること。5馬身差の圧勝で、余裕があったといえど、さすがに連闘は厳しいか。回避が濃厚ではないかと思います。

 現実的なところでは、ロートシルト賞 Prix Rotschild組のイリューシヴケイトElusive Kate(1着)、ゴールデンライラックGolden Lilac(2着)、昨年の覇者イモータルヴァースImmortal Verse(5着)。

 他には昨年のムーラン・ド・ロンシャン賞Prix de Moulin de Longchampの勝ち馬で、前走クィーン・アンSでは怪物フランケルの2着だったエクセレブレーションExcelebration。 これまでフランケルとは2着4回3着1回と、何度も勝ちを阻まれているだけに、フランケルのいないレースでは勝っておきたいところ。
 
 今年の愛2000ギニーの勝ち馬でGI2勝のパワーPower、そのパワーに前走セントジェームスパレスSで圧勝し、GI初勝利をあげたモーストインプルーヴドMost Improved、前走コロネーションSを快勝したファーレンフォーユーFallen For Youなどの3歳馬にも注目。

 国別に見ると、フランス勢では、出走が微妙なムーンライトクラウドを除けば、ゴールデンライラック、イモータルヴァース、ティンホースTin Horse(11年プーラン・デッセ・プーラン勝ち)が有力どころか。エクセレブレーション、イリューシヴケイトなど強力な英国勢を迎え撃てるか?

                         2011年ジャック・ル・マロワ賞(勝ち馬イモータルヴァース)



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2012年8月4日土曜日

2011年 モーリス・ド・ゲスト賞

今週末に行われるモーリス・ド・ゲスト賞(ドーヴィル・芝1300m)に出走予定のムーンライトクラウドMoonlight Cloudは昨年の覇者。昨年3着のマルシャンドールMarchand d'orは2006年から2008年まで同レースを三連覇したが、すでに9歳。年齢的にどうか?




2011年モーリス・ド・ゲスト賞 ムーンライトクラウド





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